人気作家ポール・オースターが、自身の短編を脚色。監督は香港出身のウェイン・ワン。NYの下町ブルックリンを舞台にした群像ドラマだ。本作の魅力は、ブルックリンの街に限りなくなじんでいる俳優たちだろう。
10年以上もの間、毎日、同じ場所にカメラを向けるタバコ屋の店主にハーヴェイ・カイテル。店の常連客で、店主の写真のなかに亡き妻の姿を見つける作家、ウィリアム・ハート。そこにもうひとり、作家を交通事故から助け、父親を探す黒人少年。映画が進むにつれ、3人それぞれの家族関係が浮き彫りにされていく。
ドラマチックな展開が用意されているわけではなく淡々と進む物語だが、その分、要所でドキリとさせる一瞬が訪れる。たとえば、凍死した父を発見する息子が、すでにそこで眠る父の年齢を越えていたというエピソード。また、強気を貫いてきた娘が、両親に背を向けられたときに浮かべる悲痛な表情。
そんな心に引っ掛かる映像の数々が、じわじわと感動を高め、締めくくりは、すべての人を優しく包み込むような「いい話」。上質な文学作品の香りが漂う、逸品だ。(斉藤博昭) amazonより
煙の重さを量る事ができるか。という問題をといたり、自分の左腕がなくなってしまったことを実は自分の息子である少年に話して聞かせたり、
長く語ってはいけないフィルム上で、敢えていろいろな物語を語ってみせるのが、この映画のすごい所。
超娯楽大作なんていうものほど、そのセリフは短く、やたらお金のかかった特撮画像が多いのは事実ですよね。
最後は10分以上にわたってタバコ屋の店主オーギー・レンが昔のクリスマスに起こった出来事(「いい話」)を語り、作家が小説にするのであるが、オーギーを映し出しての語り部分が10分、同ストーリーの回想部分がモノクロで10分セリフなしBGMオンリーで流れるなど、こいきな展開は、やはり小説家の脚本による映画だなといった感じ。
本を読んで、映画をみてもよし、その逆でも良し。
本と映画がかけ離れていないから、原作とちょっと違っていたということがありません。
全体的に、ジム・ジャームッシュのCOFFEE&CIGALETSと同じく、タバコ(コーヒー)を介していろいろな人物が人生を語るといった映画です。
余談ですが、ポール・オースターがメガホンを握った「ブルー・イン・ザ・フェイス」では、ジム・ジャームシュ本人が出演していて
禁煙を決意して最後の一服を吸う役を演じているようです。「コーヒーとタバコ。な?チャンピオン達の朝食って感じだろ。」
残念ながらレンタルになかったので観られませんが・・・マドンナも、「歌の電報」配達屋で出演しています。
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