短編ミステリーなのかな?ミステリーというよりも奇譚集といった感じかな。
どの話しも意外な結末が待っています。
著者のジェラルド・カーシュは、作家になる前は本当に何でもやった人物らしい
プロレスラーだったこともあるんだとか。
ただこのカーシュという人は、科学大好き人間のようで、
話の中に生物学的なものや、異次元空間的なこと、遺
伝的なことなどがちょくちょく出てきます。
ネタばれになりますけど
『ブライトンの怪物』は、昔イギリスの海岸で打ち上げられた人魚のような生物が、
実は日本のレスラーが広島の原爆で吹き飛ばされ、
時空を超えて現れたというオチでした。
鱗に見えたのはケロイド状態の皮膚だったんです・・・。
そのほかにも奇想天外な内容が盛りだくさんで面白く
今は、カーシュのもうひとつの短編集「廃墟の歌声」を読んでいます。
またまたネタばれになりますが
(というか、この手の小説ってネタばれしないと感想が書けない)
足の骨を折って廃墟に閉じ込められた男が出会う
正体不明の生物、彼らが歌う歌は
実は第三次世界大戦時にイギリスで歌われていた
マザーグースの歌だった
そしてその生物は、放射能汚染から身を守るため
地中深く潜った人間の成れの果てだった
というものでした・・・ああ、恐ろしい。
恐ろしいといえば、
短編集を何冊も続けて読むと
あの内容はどの作者が書いたのかが全く分からなくなってしまうのです。
小説って数をこなせばよいというものではないようです。
じっくり何度でも読み返し自分の物にすればいいんでしょうけどね。
ま、この歳になって切実に感じます。
頭の中のファイルが整理されなくなっちゃったということなのかな
・・・ああ、恐ろしい。