舞姫

 
このところ、以前とくらべると本から遠ざかっているかもしれない
二回のトイレの棚には、古事記と日本書紀 話をきかない男地図が読めない女 が
もう半年近くものったまま。臭いが移っているのでは?
 
ちょっとした空時間を利用して読むようにはしているんですけどね。
 
ちくま文庫から色々な作家の作品集が出版されているので
高校の教科書でしか読んだことのない「山月記」中島敦著を読んでいました。
これはなかなか良かったのでお勧めですが、最後までよく読んでいません。
かなり漢字が多いのです。
 
「どうせ漢字が多いならばもっと分かりにくい小説があるよ。」
と娘。きけば漢字が多いだけではなく、文語体で記してあるらしい・・・
それは・・・「舞姫だよ~ん。教科書に載っていたよ。私、今感想文書いてんだけどぉ」
「むむっ、読んでみましょうか」
 
難解な内容をこつこつ読み進むっ
たまにはこういった忍耐系読書も大事じゃ。
 
しかし恥ずかしながら読んでみてこんなに大変だとは思いませんでした。
「君が家に送り行かんに、まず心を鎮めたまへ。
声をな人に聞かせたまいそ。ここは往来なるに。」
おおっ、でました「な~そ」は強い禁止の時に使う言葉ですねっ!
 
古典現役の娘にとってはお茶の子さいさいでしょうが、私はずいぶん時間がかかり
しかも正確に読んだかどうかもわかりましぇん。
「ぬ」が否定で使われているのか、完了なのか区別つかないんだよねぇ。。
 
 
女性を選ぶか仕事を選ぶか迷うところでありますが、
娘のクラスでは、仕事を取った主人公太田の選択が正しいと
いう意見が大半を占めたらしいです。
 
捨てられたエリスがかわいそう・・・と普通思うじゃんっ。
でも考えてみると、この物語が口語体で書かれていたらば
女性の味方に付く人が多かったんじゃない?
文語体の威力といいましょうか、文体が朗々としていると
内容もかなり男性的、質実剛健。 そういった影響も大なんじゃないかなと思ったわけです。
現代語訳、漫画で読む等でておりますが、是非原文でお読みいただきたい。
 
さて内容は・・・今後お読みになる方もありましょう・・・すこしずらしておきますね。
 
 
 
 
 
 
 
 
若くして官吏の中からから選ばれ
ドイツ(当時はプロシア。普魯西と書くんですね。)に法律の勉強に渡った
太田豊太郎は美少女エリスと出会い恋に落ちる。
しかし、同僚の知れるところとなり、
本国の上司に帰国を迫られる。
いったんは、帰国を断念し、エリスと貧しくとも充実した生活を送るのだが
かつての同僚相沢が大臣の随行で訪欧してきたときに通訳を頼まれる。
太田の才を高く評価していた相沢は何とか元の仕事に戻るよう説得、
太田も帰国の意志を固めるが
身重となったエリスには伝えられずにいる。
エリスが相沢の宿舎を訪れた時、相沢は、太田に帰国の意志があることを
エリスに告げてしまい、エリスはショックのため廃人と化してしまう。という悲劇。
 
 
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